News 【日本市況】長期金利11年ぶり高水準、日経平均は3万9000円台を回復
20日の日本市場では債券が下落し、長期金利は11年ぶりの高水準を付けた。日本銀行による国債買い入れオペの減額拡大や早期の追加利上げへの警戒感から金利先高観が根強い。株式市場では商品市況高を受けて素材関連株が買われ、日経平均株価が1カ月ぶりに心理的節目の3万9000円を一時回復。外国為替市場で円は小動き。
長期金利の指標となる新発10年国債利回りは0.975%と、日銀がイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)の再修正を決めた翌日の2023年11月1日に付けた0.97%を超え、13年5月以来の水準に上昇した。これで3月の金融政策決定会合後に2年、5年、10年、20年、30年、40年物の国債利回りがそろって10年超ぶりの高水準を付けた。
市場関係者の見方として
- 米国株が高値を更新しエヌビディアの決算を今週に控える中で、日経平均は出遅れ幅を埋めにいく動きが出ている
- ただ、国内企業は慎重なガイダンスが相次ぎ、買い材料は乏しい
- 米株高の背景には経済のソフトランディング(軟着陸)やインフレ収束、利下げ期待がある
- 中国株の戻りが強くなり、中国から日本への資金シフトという話も怪しくなっている
インサイト
- 東証33業種中32業種が上昇、上昇率トップは石油・石炭製品、下落は海運
- MSCIアジア太平洋指数は0.5%高
- TOPIXは年初来で17%上昇、MSCIアジア太平洋指数は7.9%上昇
- TOPIXの12カ月先予想PERは15.6倍
背景
- 金価格が最高値更新、米利下げ観測で需要増加
- LME銅が過去最高値更新、一時1万848ドルに上昇
- 中国不動産業界、バブル終わりキャリア暗転-かつての勝ち組に挫折感
- ドル・円相場は1ドル=155円台後半で推移、前営業日の日本株終値時点は155円80銭