ながらスマホをしながら自転車を運転すると、重大な事故につながる可能性があります。この記事では、ながらスマホ自転車事故によって生じる罪、罰則、損害賠償について解説します。弁護士川﨑公司が執筆したこのコラムでは、ながらスマホとは何か、どのような罰則が科せられるのか、また加害者が負う責任について詳しく説明しています。さらに、治療費、慰謝料、休業損害、逸失利益など、ながらスマホ自転車事故による損害賠償についても解説しています。最後に、自転車に乗るときに気を付けるべきこととして、車両という意識を持つこと、任意保険や自転車保険に加入すること、安全運転に対する意識を改めることの重要性を述べています。

H3.コラムカテゴリー

ながらスマホ自転車運転は、道交法違反となり、罰金や懲役刑などの罪に問われる可能性があります。また、事故被害者に対して損害賠償責任を負うため、治療費や慰謝料、休業損害、逸失利益など様々な賠償金を支払う必要が生じます。

ながらスマホ自転車運転は、道交法第71条第5項で禁止されており、違反すると5万円以下の罰金が科せられます。さらに、事故を起こした場合には、自動車運転処罰法に基づき、過失運転致死傷罪などの罪に問われ、最大で5年の懲役刑が科せられる可能性があります。

2022年、全国の警察が摘発したながらスマホ自転車運転は、約4万件に上ります。2023年1月〜6月、ながらスマホ自転車運転が原因の死亡事故は、前年同期比で約2倍に増加しています。

ながらスマホ自転車運転は、自分だけでなく、周囲の人にも危険が及ぶため、絶対にやめましょう。もし事故を起こしてしまった場合は、速やかに警察に連絡し、被害者に対して適切な対応を取る必要があります。

ながらスマホ自転車運転の罰則は、道交法違反で5万円以下の罰金、自動車運転処罰法違反で過失運転致死傷罪など（最大5年の懲役刑）です。ながらスマホ自転車事故で加害者が負う責任は、治療費、慰謝料、休業損害、逸失利益などです。

自転車に乗るときには、車両という意識を持ち、任意保険や自転車保険に加入し、安全運転に対する意識を改めましょう。

ながらスマホ自転車運転は、非常に危険な行為であり、大きな事故につながる可能性があります。安全な自転車走行のためには、法律遵守と安全運転への意識が必要です。

H3.損害賠償等について知っておこう

ながらスマホによる自転車事故は、重大な事故につながる危険な行為です。この行為によって起こりうる罪と罰則、また加害者が負う損害賠償について解説します。

＜ ながらスマホとは＞

ながらスマホとは、自転車を走行中に、携帯電話やスマートフォンなどを操作することを指します。通話、メール、SNSの利用、音楽を聴くことなどが含まれます。

ながらスマホで自転車事故を起こすと、以下の罪に問われる可能性があります。

道交法違反（携帯電話使用等）: 5万円以下の罰金
過失傷害罪（刑法210条）： 10年以下の懲役または50万円以下の罰金
過失致死罪（刑法211条）： 7年以下の懲役または禁錮、もしくは100万円以下の罰金

また、自転車損害賠償責任保険未加入の場合は、以下の罰金が課せられます。

自転車損害賠償責任保険未加入: 5万円以下の罰金

ながらスマホで自転車事故を起こした加害者は、被害者に対して以下の損害賠償を負うことになります。

治療費
慰謝料
休業損害
逸失利益

損害賠償額は、事故の程度や被害者の年齢、収入などによって異なります。

＜注意すべき点＞

自転車は軽車両として扱われるため、道路交通法が適用されます。ながらスマホは道路交通法違反であり、事故を起こした場合には罰則が課されるだけでなく、民事上でも損害賠償責任を負うことになります。

ながらスマホは危険な行為です。自転車に乗る際は、安全運転を心がけ、ながらスマホをしないように注意しましょう。

H2.この記事でわかること

この記事でわかること

このコラムでは、ながらスマホで自転車事故を起こした場合に起こる罪・罰則・損害賠償について解説します。また、自転車に乗る際の注意点についても触れますので、ぜひ参考にしてください。

＜ながらスマホとは＞

ながらスマホとは、歩行中や自転車運転中にスマートフォンを使用することです。具体的には、通話、メール、SNSの閲覧、ゲームなどをしながら歩く・自転車に乗る行為を指します。

ながらスマホの自転車事故に対する罰則

ながらスマホ運転は、道路交通法違反となります。具体的には、以下の罰則が科されます。

5万円以下の罰金
自転車運転者講習の受講義務

ながらスマホの自転車事故で加害者が負う責任

ながらスマホ運転で事故を起こした場合、加害者は民事上の損害賠償責任を負います。具体的には、以下のような損害賠償が発生する可能性があります。

治療費
慰謝料
休業損害
逸失利益

治療費

治療費は、事故によって発生した医療費を指します。入院費、診察料、薬代、リハビリ費用などが含まれます。

慰謝料

慰謝料は、事故によって被った精神的苦痛に対する賠償金です。事故の程度、後遺症の有無などによって金額が異なります。

休業損害

休業損害は、事故によって仕事を休んだことで発生した収入の損失を指します。給与、賞与、ボーナスなどが含まれます。

逸失利益

逸失利益は、事故によって将来の収入が減少した場合に発生する損害賠償金です。加害者の過失割合、年齢、収入などによって金額が異なります。

＜自転車に乗るときに気を付けたいこと＞

車両という意識を持つ

自転車は軽車両であり、道路交通法の適用を受けます。歩行者ではなく、車両として安全運転を心がけましょう。

任意保険や自転車保険に加入する

事故を起こした場合に備えて、任意保険や自転車保険に加入しておくことが大切です。

安全運転に対する意識を改める

ながらスマホ運転だけでなく、信号無視や一時停止違反など、安全運転を心がけましょう。

ながらスマホ運転は、自分だけでなく周囲の人にも危険を及ぼす可能性があります。安全運転を心がけ、事故を起こさないように注意しましょう。

H2.ながらスマホとは

ながらスマホは、注意力が散漫になり周囲の状況を把握しづらくなるため、交通事故のリスクを大幅に高めます。歩行中であれば、信号無視や転倒などの危険があり、自転車であれば、ハンドル操作が遅れたり、バランスを崩したりすることで、他の車両や歩行者と接触する恐れがあります。

特に自転車は、車と異なり車体が小さく、ブレーキをかけたとしてもすぐに止まることができません。ながらスマホによって注意力が低下していると、危険を察知しても回避することが難しく、大事故につながる可能性が高くなります。

2015年に道路交通法が改正され、自転車のながらスマホが全面的に禁止されました。違反した場合、5万円以下の罰金が課せられます。また、ながらスマホが原因で交通事故を起こした場合は、刑事罰や損害賠償などの責任を負うことになります。

以下、ながらスマホが原因で自転車事故を起こしたときの罰則・責任について詳しく説明します。

H2.ながらスマホで自転車事故を起こしたときの罰則・責任

ながらスマホ自転車事故を起こしてしまった場合、どのような罪に問われ、どのような罰則が科されるのでしょうか？また、被害者への損害賠償はどうなるのでしょうか？

このヘッドラインでは、これらの疑問に答えるために、以下の内容を解説します。

ながらスマホの自転車事故に対する罰則
ながらスマホの自転車事故で加害者が負う責任

これらの内容については、次のヘッドラインで詳しく説明しますので、そちらをご覧ください。

H3.ながらスマホの自転車事故に対する罰則

ながらスマホの自転車事故に対する罰則は、道路交通法違反に該当します。具体的には、以下のような罰則が科せられます。

携帯電話使用等違反: 5万円以下の罰金
ながら運転: 3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金
過失運転致死傷罪: 15年以下の懲役または50万円以下の罰金

これらの罰則は、事故の状況や被害の程度によって異なります。また、刑事罰以外にも、民事上の損害賠償責任を負う可能性があります。

ながらスマホの自転車事故は、重大な事故につながる可能性があります。自転車に乗るときは、安全運転を心がけ、携帯電話の使用は控えましょう。

H3.ながらスマホの自転車事故で加害者が負う責任

民事責任とは、損害賠償責任のことです。事故によって被害者に損害を与えた場合、加害者はその損害を賠償する義務を負います。

損害賠償の範囲には、治療費、慰謝料、休業損害、逸失利益などがあります。

刑事責任とは、刑法に違反した行為に対して科される責任のことです。

ながらスマホで自転車を運転し、交通事故を起こした場合、以下の罪に問われる可能性があります。

道交法違反（携帯電話使用等）
傷害罪
過失致死傷罪

具体的な罪名や刑罰は、事故の状況や被害者の程度によって異なります。

自転車に乗る際には、安全運転を心がけ、絶対にながらスマホをしないようにしましょう。

H2.ながらスマホで自転車事故を起こしたときの損害賠償

ながらスマホで自転車事故を起こしたときの損害賠償

ながらスマホで自転車事故を起こした場合、被害者には治療費、慰謝料、休業損害、逸失利益など様々な損害が発生する可能性があります。これらの損害は、原則として加害者に対して賠償請求することができます。

損害賠償の具体的内容は、以下の通りです。

治療費
慰謝料
休業損害
逸失利益

これらの損害は、個別の事情によって金額が異なります。詳しくは専門家にご相談ください。

H3.治療費

ながらスマホ自転車事故を起こした場合、治療費は加害者が負担する必要があります。治療費には、以下のものが含まれます。

入院費
手術費
薬代
リハビリ費用

治療費の金額は、怪我の程度や治療期間によって異なります。治療費が高い場合、加害者は分割払いをする必要があるかもしれません。

また、治療費に加えて、慰謝料や休業損害、逸失利益などを請求される可能性もあります。

H3.慰謝料

ながらスマホで自転車事故を起こした加害者が負う損害賠償には、慰謝料も含まれます。慰謝料は、被害者が受けた精神的苦痛に対して支払われるものであり、事故の態様や被害者の年齢、怪我の程度などによって金額が異なります。

一般的には、以下の要素を考慮して慰謝料の金額が算定されます。

事故態様の悪質性: 故意または過失の程度によって慰謝料の金額は増減します。ながらスマホなど明らかに注意を怠っていた場合は、悪質性が高いと判断されるため、慰謝料の金額が高額になる傾向があります。
被害者の年齢、怪我の程度: 被害者の年齢が若く、将来にわたって大きな影響を受けると考えられる場合は、慰謝料の金額が高額になります。また、怪我の程度が重いほど、慰謝料の金額も高額になります。

なお、慰謝料の金額は、被害者と加害者で話し合って決めることも、裁判所が判断することもできます。

H3.休業損害

ながらスマホで自転車事故を起こし、相手方が怪我を負った場合、加害者は損害賠償責任を負います。

損害賠償には、治療費、慰謝料、休業損害、逸失利益などがあります。

休業損害とは、怪我によって仕事を休むことで発生した収入の損失のことです。

休業損害を請求するためには、次の要件を満たす必要があります。

怪我によって実際に仕事を休んだこと
収入の減少が発生したこと
休業と収入の減少との間に因果関係があること

休業損害の額は、実際に減少した収入額に基づいて計算されます。

ただし、休業損害には上限があります。

上限は、自賠責保険法によって定められており、2023年4月1日以降の事故については、1事故につき1,200万円となっています。

休業損害は、怪我によって仕事を休むことによって発生した収入の損失を補填するものです。

そのため、休業損害を請求するためには、実際に仕事を休んだことが証明できるような資料が必要です。

具体的には、以下の資料が挙げられます。

勤務先の証明書
給与明細
税務申告書

これらの資料を揃えることで、休業損害の請求が可能となります。

※ 上記はあくまで参考であり、具体的な内容については弁護士等にご相談ください。

H3.逸失利益

逸失利益とは、怪我によって働けなくなったことによって失った収入のことです。自転車事故の場合、怪我の程度や仕事の内容によって大きく異なりますが、以下のようなケースが考えられます。

入院・通院による休業: 怪我の程度によっては、入院や通院が必要となり、休業しなければならない場合があります。この期間の収入が逸失利益となります。
後遺障害による労働能力の低下: 怪我によって後遺障害が残った場合、労働能力が低下し、以前と同じ収入を得ることができなくなる場合があります。この労働能力の低下による収入の減少も逸失利益となります。
死亡による収入の減少: 死亡事故の場合は、遺族の収入が減少します。この収入の減少も逸失利益となります。

逸失利益は、労働能力の有無や怪我の程度など、様々な要素を考慮して算定されます。弁護士に相談することで、適正な逸失利益額を請求することが可能です。

H2.自転車に乗るときに気を付けたいこと

自転車は気軽に利用できる便利な乗り物ですが、事故を起こしてしまうと大きなトラブルに発展する可能性があります。

車両という意識を持つ
任意保険や自転車保険に加入する
安全運転に対する意識を改める

これらの点をしっかりと意識することで、安全に自転車を利用することができます。

ながらスマホ自転車で事故を起こした場合、どのような罪や罰則、損害賠償が発生するのでしょうか？

＜罪＞

ながらスマホ自転車で事故を起こした場合、以下のような罪に問われる可能性があります。

過失運転致死傷罪
道交法違反（携帯電話使用等）

＜罰則＞

罪に応じて、以下のような罰則が科せられます。

過失運転致死罪：懲役15年以下または100万円以下の罰金
過失運転致傷罪：懲役7年以下または100万円以下の罰金
道交法違反：6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金

＜損害賠償＞

事故によって被害者の方が怪我をしたり、死亡したりした場合、加害者は損害賠償を負うことになります。損害賠償の金額は、被害者の怪我の程度や死亡した場合の遺族の慰謝料などによって異なります。

ながらスマホ自転車は非常に危険な行為です。事故を起こす前に、しっかりと安全運転を心がけてください。

H3.車両という意識を持つ

自転車は、車両であることを意識して安全運転を心がけましょう。

自転車は軽車両として扱われるため、道路交通法で定められたルールに従う必要があります。主なルールは以下の通りです。

車道左側通行
信号や標識に従う
飲酒運転禁止
並進禁止
右折時の安全確認
夜間のライト点灯

車両という意識を持つためには、以下のことに注意しましょう。

速度超過に注意する
周囲の状況に気を配る
携帯電話やイヤホンは使用しない
飲酒をして自転車に乗らない
安全な装備を身につける

交通ルールを守り、周りの状況に注意することで、事故を未然に防ぐことができます。

H3.任意保険や自転車保険に加入する

ながらスマホによる自転車事故を起こした場合、加害者は民事責任を負い、損害賠償を請求される可能性があります。損害賠償額は、被害者の怪我の程度や後遺症の有無などによって異なりますが、高額になるケースも少なくありません。

このような事態に備えるため、自転車に乗る際には任意保険や自転車保険への加入を強くおすすめします。任意保険は、自動車保険の特約として加入できるもので、自転車に乗っている際の事故も補償の対象となります。自転車保険は、自転車専用の保険で、加入条件が緩やかで保険料も比較的安価です。

いずれの保険にも、対人賠償責任保険と対物賠償責任保険が含まれており、万が一事故を起こして相手に怪我や物損を与えた場合に、保険会社が代わりに賠償金を支払ってくれます。また、任意保険には、搭乗者傷害保険や自転車損害保険などを付帯できる場合があり、自分自身や自転車の損害も補償することができます。

ながらスマホによる自転車事故は、自分だけでなく、周囲の人々にも大きな被害をもたらす可能性があります。万が一の事態に備えて、保険に加入し、安全に自転車に乗るよう心がけましょう。

H3.安全運転に対する意識を改める

安全運転を心がけるためのポイントは、以下の5つです。

車両という意識を持つ: 自転車は軽車両であり、道路交通法の対象です。歩行者ではなく、車と同じように交通ルールを守り、安全運転を心がけましょう。
周囲の状況に注意する: スマホを見ていると、周囲の状況に注意が行き届かなくなり、危険を察知することができません。ながらスマホは絶対にやめましょう。
予測運転を行う: 先の状況を予測し、安全な運転を心がけましょう。交差点や横断歩道など、事故が発生しやすい場所では特に注意が必要です。
夜間はライトを点灯する: 夜間は視界が悪くなるため、ライトを点灯して自分の存在をアピールしましょう。
ヘルメットを着用する: 転倒した際に頭部を保護するヘルメットの着用は、義務ではありませんが、安全のためにも着用することをおすすめします。

安全運転を心がけることで、自分だけでなく、周りの人々の安全も守ることができます。

H2.まとめ

ながらスマホで自転車事故を起こした場合、道路交通法違反や刑法違反となり、罰則が科せられる可能性があります。また、被害者には治療費や慰謝料、休業損害、逸失利益など、損害賠償の責任を負うことになります。

道路交通法違反の場合、5万円以下の罰金が科せられます。また、刑法違反の場合、過失傷害罪の場合は10万円以下の罰金または1年以下の懲役、過失致死罪の場合は7年以下の懲役が科せられます。

自転車に乗るときは、車両という意識を持ち、道路交通法を守ることが重要です。また、任意保険や自転車保険に加入しておきましょう。安全運転を心がけ、事故を起こさないようにしましょう。