News ちょっと気になったので・・仏教宗派の違いを一覧比較!開祖・歴史順・門徒数ランキング
目次
【鎌倉仏教】浄土宗・浄土真宗・時宗・臨済宗・曹洞宗・日蓮宗..
まずはじめに・・
「うちの宗派って何だろう?」「お寺によって何が違うの?」 身内の法事や、お寺巡りをきっかけに、日本の仏教宗派について興味を持った方も多いのではないでしょうか。
日本には数多くの仏教宗派が存在し、それぞれに異なる歴史、教え、そして魅力があります。しかし、その違いは複雑で、どこから学べば良いか分かりにくいですよね。
この記事では、仏教の知識が全くない方でも理解できるよう、日本の主要な仏教13宗派について、開祖や歴史、門徒数(信者数)、格式、戒律の厳しさといった気になるポイントを、図解やランキングを交えて分かりやすく解説します。
この記事を読めば、あなたも仏教宗派の全体像を掴み、それぞれの違いを語れるようになります。
仏教主要13宗派の特徴比較一覧表
まずは、日本の仏教の代表的な13宗派について、その特徴を一覧で見ていきましょう。いつ、誰が、どのような教えを説いたのか、そして信者数はどのくらいいるのか、全体像を掴むのに役立ちます。
開祖・本尊・教え・門徒数・戒律の早見表
| 法相宗 | 奈良 | 道昭 | 唯識曼荼羅 | 「唯識」の教え。すべての存在は心が生み出したものと考える。 | 3.2万人 | 厳しい |
| 華厳宗 | 奈良 | 良弁 | 盧舎那仏 | すべてのものは互いに関係し合って存在していると考える。 | 2.7万人 | 普通 |
| 律宗 | 奈良 | 鑑真 | 盧舎那仏 | 仏教徒が守るべき「戒律」を重視し、その研究と実践を行う。 | 4.0万人 | 非常に厳しい |
| 天台宗 | 平安 | 最澄 | 定めなし(釈迦如来など) | すべての人は仏になれる性質を持つ(一切衆生悉有仏性)。 | 193万人 | 修行による |
| 真言宗 | 平安 | 空海 | 大日如来 | 厳しい修行により、この身のままで仏になる(即身成仏)ことを目指す。 | 382万人 | 修行による |
| 浄土宗 | 鎌倉 | 法然 | 阿弥陀如来 | 「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えれば、誰でも極楽浄土へ往生できる。 | 602万人 | 緩やか |
| 浄土真宗 | 鎌倉 | 親鸞 | 阿弥陀如来 | 阿弥陀仏の力を信じるだけで救われる(絶対他力)。僧侶の肉食妻帯を認める。 | 783万人 | なし(非僧非俗) |
| 時宗 | 鎌倉 | 一遍 | 阿弥陀如来 | 踊りながら念仏を唱える「踊念仏」で、人々と喜びを分かち合う。 | 2.2万人 | 緩やか |
| 臨済宗 | 鎌倉 | 栄西 | 定めなし(釈迦如来など) | 座禅によって、自分自身と向き合い悟りを開くことを目指す(看話禅)。 | 162万人 | 普通 |
| 曹洞宗 | 鎌倉 | 道元 | 釈迦如来 | ただひたすらに座禅に打ち込む「只管打坐」を重視する。 | 246万人 | 普通 |
| 日蓮宗 | 鎌倉 | 日蓮 | 大曼荼羅 | 「南無妙法蓮華経」の題目を唱えることで、この世で仏の境地に至る。 | 385万人 | 普通 |
| 黄檗宗 | 江戸 | 隠元隆琦 | 釈迦如来 | 臨済宗の流れを汲むが、明の時代の様式を取り入れた念仏禅が特徴。 | 2.5万人 | 普通 |
(参考:文化庁『宗教年鑑 令和5年版』)
【奈良仏教】法相宗・華厳宗・律宗
国家鎮護を目的とした学問中心の仏教です。遣唐使などによって中国から最新の仏教がもたらされ、都(奈良)を中心に栄えました。鎮護国家の思想が強く、学問的な側面が強いのが特徴です。
【平安仏教】天台宗・真言宗
最澄と空海という二人の天才によって開かれた宗派です。山に籠って厳しい修行を行うのが特徴で、貴族社会を中心に広く信仰されました。後の鎌倉仏教に大きな影響を与えた点でも重要です。
【鎌倉仏教】浄土宗・浄土真宗・時宗・臨済宗・曹洞宗・日蓮宗
武士や庶民へと仏教が広がった時代です。法然や親鸞、日蓮といったカリスマ的な開祖たちが、「念仏を唱えるだけ」「題目を唱えるだけ」といった、より実践的で分かりやすい教えを説き、多くの人々の心を掴みました。
【江戸仏教】黄檗宗
江戸時代に中国(明)から伝わった宗派です。建築や儀式、精進料理(普茶料理)などに中国風の文化が色濃く残っているのが特徴で、煎茶道の祖としても知られています。
【門徒数順】日本の仏教宗派ランキング
「日本で一番信者が多い宗派はどこなんだろう?」と疑問に思う方も多いでしょう。ここでは、文化庁の『宗教年鑑 令和5年版』を基に、日本の仏教宗派の門徒数(信者数)をランキング形式でご紹介します。
1位 浄土真宗(約783万人)
門徒数が最も多いのは浄土真宗です。開祖である親鸞は、師である法然の「専修念仏」の教えをさらに推し進め、「阿弥陀仏の力を信じるだけで救われる」という**「絶対他力」**の教えを説きました。
厳しい修行や戒律が不要で、僧侶が肉食や結婚をすることも認めたため、武士から庶民まで、あらゆる階層の人々に受け入れられました。その分かりやすさと門戸の広さが、日本最大の宗派となった理由と言えるでしょう。
2位 浄土宗(約602万人)
第2位は、法然が開いた浄土宗です。**「南無阿弥陀仏」とひたすら念仏を唱える「専修念仏」**によって、誰もが平等に極楽浄土へ往生できると説きました。
それまでの仏教が貴族や修行僧のものであったのに対し、シンプルで実践しやすい教えは、当時の人々にとって画期的なものでした。江戸時代には徳川家の帰依を受けたことも、宗派が大きく発展する要因となりました。
3位 日蓮宗(約385万人)
第3位は、日蓮が開いた日蓮宗です。**法華経こそが最も優れた教えであるとし、「南無妙法蓮華経」の題目を唱えること(唱題)**で、この世にいながらにして仏の境地に至ることができると説きました。
その力強い教えは、社会が不安定だった鎌倉時代の人々の心を強く惹きつけ、現在に至るまで多くの信者を獲得しています。
4位 真言宗(約382万人)
第4位は、空海(弘法大師)が開いた真言宗です。大日如来を本尊とし、独自の「密教」の教えを説きます。
「三密」と呼ばれる身体、言葉、心の行いを仏と一体化させる厳しい修行によって、この身のままで仏になる「即身成仏」を目指します。その神秘的な世界観と、カリスマである空海への信仰が、多くの人々を惹きつけています。
5位 曹洞宗(約246万人)
第5位は、道元が開いた曹洞宗です。**ただひたすらに座禅に打ち込む「只管打坐(しかんたざ)」**を教えの中心に据えています。
悟りを求めるなどの目的を持たず、座禅をする姿そのものが仏の姿であると考えます。そのストイックな教えは、特に武士階級に支持を広げました。福井県の永平寺と神奈川県の總持寺を両大本山としています。
【格式】皇室とゆかりの深い宗派とは
「格式が高い宗派」という言葉を聞くことがありますが、これは主に皇室や朝廷、あるいは時の権力者とどれだけ深い関わりを持ってきたかによって語られることが多いです。ここでは、特に皇室とゆかりの深い宗派をご紹介します。
天台宗(皇室の帰依と庇護)
開祖である最澄は、桓武天皇の厚い信頼を得て、比叡山延暦寺を建立しました。延暦寺は国家鎮護の道場として、歴代天皇の庇護を受けました。皇族や公家の子弟が住職を務める「門跡寺院」も多く、皇室との深い結びつきを物語っています。
真言宗(皇室との深い関係)
開祖の空海も、嵯峨天皇をはじめとする朝廷から絶大な信頼を寄せられました。京都の東寺(教王護国寺)を賜り、真言宗は天台宗とともに国家鎮護の役割を担いました。空海の書は「三筆」の一人として高く評価されるなど、文化的にも皇室と深い関係を築きました。
臨済宗(皇族の出家と門跡寺院)
鎌倉時代に栄西によって伝えられた臨済宗は、武家政権だけでなく、朝廷からも篤い信仰を集めました。特に京都五山に代表される禅寺には、皇族が出家して住職となる「門跡寺院」が数多く存在し、その格式の高さを示しています。
浄土宗(徳川家の菩提寺)
浄土宗は、皇室との直接的な関わりとは少し異なりますが、**江戸幕府を開いた徳川家の菩提寺(先祖代々の墓がある寺)**であったことから、非常に高い格式を持つようになりました。東京の増上寺は徳川将軍家の墓所として有名です。
【戒律】宗派ごとの厳しさの違い
戒律とは、仏教徒が守るべき生活上のルールのことです。この戒律に対する考え方は、宗派によって大きく異なります。
戒律を厳しく重んじる宗派(律宗・法相宗)
- 律宗 その名の通り、戒律そのものを研究し、正しく実践することを最も重視する宗派です。開祖の鑑真は、日本に正式な戒律を伝えるために命がけで来日しました。奈良の唐招提寺が総本山です。
- 法相宗 学問的な側面が強い宗派で、僧侶には厳しい戒律が求められます。興福寺や薬師寺が本山として知られています。
修行方法で戒律の解釈が異なる宗派(天台宗・真言宗)
- 天台宗 最澄は、奈良仏教の戒律(具足戒)ではなく、**大乗仏教独自の戒律(円頓戒)**を定めました。これは、すべての人が仏になれるという教えに基づき、菩薩として生きるための精神的な規範を重視するものです。
- 真言宗 空海が定めた**三昧耶戒(さんまやかい)**という独自の戒律を用います。これは、仏と一体となるための誓いであり、密教の修行を通じてその精神を体得することを目的とします。
肉食妻帯を認める宗派(浄土真宗)
- 浄土真宗 開祖である親鸞が、公式に妻を持ち、肉食もしたことで知られています。これは、人間は自らの力で戒律を守り通すことはできない弱い存在であり、だからこそ阿弥陀仏の救いにすがるべきだ、という教えに基づいています。そのため、浄土真宗では僧侶にも戒律は課されず、「非僧非俗(僧侶でもなく、俗人でもない)」という立場をとります。
開祖と宗派の歴史を時代別に解説
日本の仏教は、約1500年の歴史の中で、時代ごとの社会情勢や人々の願いに応じて、その姿を変化させてきました。
仏教の伝来と南都六宗の成立(飛鳥・奈良時代)
日本の仏教は、6世紀半ばに百済から伝わったとされています。当初は物部氏と蘇我氏の間で崇仏論争が起こりましたが、やがて聖徳太子らによって受け入れられ、国を治めるための重要な思想となっていきました。
奈良時代には、都(平城京)を中心に**「南都六宗」**と呼ばれる6つの宗派(法相宗、華厳宗、律宗など)が栄えました。これらは、国家の安泰を祈るための学問仏教という性格が強く、僧侶は国家公務員のような存在でした。
密教の確立(平安時代)最澄と空海
平安時代になると、**最澄(さいちょう)と空海(くうかい)**という二人の天才僧侶が現れます。
- 最澄 唐に渡り、天台宗の教えを持ち帰りました。比叡山に延暦寺を建立し、**すべての人は仏になれる(一切衆生悉有仏性)**と説きました。彼の教えは、後の鎌倉新仏教に連なる多くの弟子を育てました。
- 空海 同じく唐に渡り、**「密教」**と呼ばれる神秘的な教えを学び、日本で真言宗を開きました。高野山に金剛峯寺を建立し、加持祈祷などを通じて、この身のままで仏になる「即身成仏」の道を説き、朝廷や貴族から絶大な支持を得ました。
鎌倉新仏教の誕生と多様化(鎌倉時代)
度重なる戦乱や災害で社会が不安定になった鎌倉時代、人々はより分かりやすく、実践的な救いを仏教に求めました。このニーズに応える形で、新しい宗派が次々と誕生します。
- 浄土系(法然・親鸞・一遍) 「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えることで救われるという、シンプルな教えを説きました。
- 禅宗系(栄西・道元) 座禅を通じて自らの力で悟りを開く道を説き、特に武士階級に支持されました。
- 日蓮宗(日蓮) 「南無妙法蓮華経」の題目を唱えることで救われると説き、熱狂的な信者を生み出しました。
これらの鎌倉新仏教は、それまでの貴族や僧侶中心の仏教から、武士や庶民へと信仰の門戸を大きく開いた点で、日本の仏教史における一大転換点となりました。
仏教宗派に関するよくある質問
Q. 自分の家の宗派を調べる方法は?
**「自分の家の宗派が分からない…」**という方は意外と多いです。以下の方法で調べてみましょう。
- 親や親戚に聞く 最も確実な方法です。特に年長の親戚は詳しいことが多いです。
- お墓を確認する 墓石に「南無阿弥陀仏」「南無妙法蓮華経」などの文字や、宗派の紋(家紋とは別)が刻まれていることがあります。また、お墓のあるお寺に直接問い合わせれば教えてもらえます。
- 仏壇を確認する ご本尊の種類や掛け軸、位牌の形などから宗派を推測できます。仏具店に写真を見せて相談するのも良いでしょう。
Q. 宗派によって葬儀の作法は違う?
はい、宗派によって葬儀の作法、特にお経や焼香の回数などが異なります。
例えば、浄土真宗では「往生即成仏」の考えから、故人に引導を渡す儀式がありません。また、焼香の回数も、浄土真-宗本願寺派は1回、真宗大谷派は2回、真言宗は3回など、宗派ごとに定められています。もし他宗派の葬儀に参列する場合は、周りの人の作法に合わせるのが無難です。
Q. 「宗」と「派」の違いは?
「宗」は教義や信仰対象による大きな括り、「派」はそこからさらに分かれたグループを指します。
例えば、親鸞の教えを根本とする「浄土真宗」という宗派の中に、本山の違いなどから「浄土真宗本願寺派」や「真宗大谷派」といった多数の「派」が存在します。天台宗や真言宗、日蓮宗なども、歴史の中で多くの派に分かれています。
Q. 世界で一番信者が多い仏教宗派は?
世界的に見ると、特定の「宗派」で信者数を比較するのは困難です。
仏教は大きく、東南アジアやスリランカに広まった**「上座部仏教」と、中国や日本、チベットなどに広まった「大乗仏教」**に分かれます。信者数では大乗仏教が多数を占めますが、その中には禅宗、浄土教、密教など多様な教えが含まれており、日本の「宗派」のような明確な区切りで語ることは難しいのが現状です。
まとめ
この記事では、日本の主要な仏教13宗派について、開祖、歴史、門徒数、格式、戒律といった様々な角度から比較・解説してきました。
- 日本の仏教は時代と共に多様化し、13宗56派に分かれている
- 門徒数が最も多いのは、分かりやすい教えの「浄土真宗」
- 「格式」は皇室や権力者との関わりで語られることが多い
- 「戒律」の厳しさは宗派によって大きく異なり、浄土真宗のように戒律がない宗派もある
- 鎌倉時代に、庶民のための分かりやすい仏教が数多く誕生した
仏教の宗派は、一見すると複雑で難解に思えるかもしれません。しかし、それぞれの宗派が生まれた背景や、開祖たちが何を伝えようとしたのかを知ることで、その教えがより身近なものに感じられるはずです。
この記事が、あなたの仏教への理解を深める一助となれば幸いです。お寺を訪れた際には、ぜひその宗派にも注目してみてください。きっと新しい発見があるでしょう。