三為契約で登録免許税と取得税を節税する仕組みと合法性の徹底解説|大阪市の「北急ハウジング」からお客様へのお知らせ北急ハウジング株式会社

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News 三為契約で登録免許税と取得税を節税する仕組みと合法性の徹底解説

目次

まずはじめに・・..

三為契約の仕組みと図解による解説..

第三者のためにする契約の定義..

登場人物と契約の流れ..

契約の具体的な流れ..

登録免許税と不動産取得税を抑える理由..

登記を移転しない税務上のメリット..

不動産取得税が課税されない法的根拠..

1000万円の土地購入時の税金比較..

通常の売買(A→B→C)の場合..

三為契約(A→Cへ直接移転)の場合..

宅建業法上の合法性と契約のリスク..

違法な中間省略登記との違い..

契約不適合責任の所在と注意点..

注意すべきポイント..

仲介手数料の有無と会計処理..

住宅ローンと個人取引の注意点..

住宅ローン審査への影響と対策..

審査を通すための対策..

個人が三為契約を行う際の留意点..

実務で役立つ契約書の特約と注意点..

第三者のためにする契約の特約条項..

  1. 所有権移転先指定権の留保..
  2. 所有権の直接移転..
  3. 受益の意思表示..

契約トラブルを防ぐための確認事項..

まとめ..

 

まずはじめに・・

不動産投資や売買の現場で耳にする「三為契約(さんためけいやく)」という言葉。節税メリットがある一方で、「本当に合法なの?」「トラブルのリスクはない?」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、三為契約の仕組みから、登録免許税・不動産取得税を抑えられる法的根拠、さらには実務上の注意点までを専門的な視点で分かりやすく解説します。

三為契約の仕組みと図解による解説

三為契約とは、売主と買主の間に中間省略的な役割を果たす業者が入り、登記を中間の業者に回さず、元の売主から最終的な買主へ直接移転させる契約形態のことです。 正式名称を「第三者のためにする契約」と呼びます。

第三者のためにする契約の定義

第三者のためにする契約とは、契約当事者の一方が第三者に対して直接債務を履行することを約束する契約です。不動産取引においては、売主(A)と中間業者(B)が契約を結び、その中で「所有権を直接、最終買主(C)に移転させる」という特約を盛り込みます。

これにより、中間業者(B)は一度も所有権登記名義人になることなく、転売を完了させることが可能になります。

登場人物と契約の流れ

三為契約には、主に以下の3者が登場します。

  • 売主(A) 物件の元の所有者。
  • 中間業者(B) 宅建業者であることが一般的。Aから買い、Cへ売る立場。
  • 最終買主(C) 投資家や実需層など、最終的に物件を取得する人。

契約の具体的な流れ

  1. AとBの間で「第三者のためにする売買契約」を締結する この際、Bは代金の支払いと引き換えに、所有権をBが指定する第三者(C)に直接移転させるようAに依頼します。
  2. BとCの間で「他人物売買契約」を締結する Bはまだ所有権を持っていませんが、Aとの契約に基づき、Cに対して所有権を移転させる義務を負います。
  3. Cが代金を支払い、AからCへ直接登記が移転する Bを経由せず、登記簿上は「A→C」と記録されます。

登録免許税と不動産取得税を抑える理由

三為契約の最大のメリットは、中間業者(B)にかかる税金を大幅に削減できる点にあります。中間業者のコストが下がることで、結果として最終買主(C)への販売価格が抑えられたり、業者の利益が確保しやすくなったりします。

登記を移転しない税務上のメリット

通常、不動産を転売する場合は「A→B」および「B→C」の2回分の登記手続きが必要です。しかし、三為契約では登記を「A→C」の1回に集約します。

これにより、中間業者(B)は以下のコストを支払う必要がなくなります。

  • 登録免許税 登記を申請する際に国に納める税金。
  • 司法書士への報酬 登記手続きを代行する専門家への手数料。

不動産取得税が課税されない法的根拠

不動産取得税とは、不動産を取得した際に都道府県が課す税金です。三為契約において中間業者(B)にこの税金がかからない理由は、Bが一度も不動産の所有権を取得したとみなされない(登記上の名義人にならない)ためです。

最高裁判所の判例や総務省の通知により、一定の要件を満たす「第三者のためにする契約」であれば、中間業者への課税は行われないことが明確化されています。

1000万円の土地購入時の税金比較

例えば、1000万円の土地を転売目的で購入した場合、通常の売買と三為契約では中間業者の負担が以下のように変わります。

通常の売買(A→B→C)の場合

  • 登録免許税20万円(土地の評価額によるが、原則0%)
  • 不動産取得税30万円(原則0%〜4.0%)
  • 合計負担額50万円

三為契約(A→Cへ直接移転)の場合

  • 登録免許税 0円(Bは登記しないため)
  • 不動産取得税 0円(Bは取得とみなされないため)
  • 合計負担額 0円

このように、1000万円の取引でも50万円以上のコスト差が生まれます。

宅建業法上の合法性と契約のリスク

「登記を飛ばすのは違法ではないか?」という疑問を持つ方もいますが、現在の実務において三為契約は完全に合法な手法として確立されています。

違法な中間省略登記との違い

かつて行われていた「中間省略登記」は、実態として「A→B」「B→C」と所有権が移転しているにもかかわらず、登記だけを「A→C」とするもので、不動産登記法違反(虚偽の登記申請)とされていました。

しかし、平成17年の不動産登記法改正と、その後の法務省通知により、以下の手法が認められました。

  • 第三者のためにする契約(直接移転売買) 最初から「AからCへ直接移転させる」という契約上の合意があるため、登記法上も正当な手続きとなります。

契約不適合責任の所在と注意点

三為契約において、最終買主(C)に対する契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)は、直接の契約相手である中間業者(B)が負います。

注意すべきポイント

  • 業者の資力 中間業者(B)が倒産した場合、CはBに対して責任追及ができなくなります。
  • 責任の連鎖 AがBに対して負う責任と、BがCに対して負う責任の内容が異なる場合があるため、契約書の内容を精査する必要があります。

仲介手数料の有無と会計処理

三為契約では、中間業者(B)は「仲介」ではなく「売主」という立場になります。そのため、BからCに対して仲介手数料を請求することは原則としてありません。

Bの利益は、Aからの仕入れ価格とCへの販売価格の差額(転売益)となります。会計処理上も、Bは「売上」と「仕入」を計上することになります。

住宅ローンと個人取引の注意点

三為契約は投資用物件でよく使われますが、個人が居住用として購入する場合には特有のハードルがあります。

住宅ローン審査への影響と対策

多くの金融機関は、三為契約(直接移転売買)による融資に慎重な姿勢を見せることがあります。「所有権の所在が複雑に見える」「中間業者の利益が上乗せされており、担保評価が低くなる可能性がある」といった理由からです。

審査を通すための対策

  • 実績のある金融機関を選ぶ 三為契約の仕組みを理解しているネット銀行や、提携ローンを持つ金融機関を利用する。
  • 重要事項説明書の確認 三為契約である旨が明記され、法的に整理されていることを銀行に説明する。

個人が三為契約を行う際の留意点

個人投資家が中間業者(B)の立場になることは、宅建業免許がない限り原則としてできません。反復継続して利益を得る目的で三為契約を行うと、宅建業法違反に問われるリスクがあります。

個人が買主(C)として参加する場合は、「中間業者が信頼できる宅建業者か」「価格が相場から乖離しすぎていないか」を厳しくチェックすることが重要です。

実務で役立つ契約書の特約と注意点

三為契約を安全に進めるためには、契約書に特定の文言を盛り込む必要があります。

第三者のためにする契約の特約条項

売主(A)と中間業者(B)の契約書には、必ず以下のような特約が必要です。

1. 所有権移転先指定権の留保

「買主(B)は、本物件の所有権の移転先として第三者(C)を指定する権利を有する」という旨の条項です。

2. 所有権の直接移転

「売主(A)は、買主(B)の指定する第三者(C)に対し、代金全額の支払いと引き換えに、直接所有権を移転させる」という合意です。

3. 受益の意思表示

最終買主(C)が、売主(A)に対して「所有権を受け取ります」という意思表示を行うことで、所有権が確定します。

契約トラブルを防ぐための確認事項

三為契約で**「こんなはずじゃなかった」**という事態を避けるために、以下の項目を確認してください。

  • 売主(A)の同意 元の売主が「直接移転」の仕組みを理解し、納得しているか。
  • 代金決済の同時性 Aへの支払いとCからの支払いが円滑に行われるスキームになっているか。
  • 契約不適合責任の期間 中間業者が宅建業者の場合、引き渡しから2年以上の責任期間が義務付けられています。

まとめ

三為契約は、登録免許税や不動産取得税を節税し、取引コストを抑えるための極めて有効な法的スキームです。 違法な中間省略登記とは異なり、正しく契約書を作成すれば、安全に不動産取引を行うことができます。

しかし、中間業者の信用力や住宅ローンの利用可否など、特有の注意点も存在します。「節税メリット」だけに目を奪われず、契約内容や業者の実績をしっかりと見極めることが、不動産投資を成功させる鍵となります。

もし、提案されている物件が三為契約である場合は、本記事で紹介した特約の有無や税金の仕組みを参考に、納得のいくまで業者に確認を行ってください。

(参考:法務省:不動産登記法の改正に伴う登記事務の取扱いについて