News 年金死亡手続き!未支給年金や遺族年金の受取人と死亡一時金の期限
目次
まずはじめに・・
まずはじめに・・
身近な方が亡くなった際、葬儀や法要の準備と並行して進めなければならないのが年金の手続きです。「亡くなった月の年金はどうなるの?」「遺族がもらえるお金はある?」といった疑問を抱える方は少なくありません。
この記事では、プロの視点から未支給年金や遺族年金、死亡一時金の仕組みと、損をしないための手続き方法を分かりやすく解説します。
死亡した月の年金の取り扱い
年金を受給している方が亡くなった場合、その月の分まで年金を受け取る権利があります。しかし、年金は後払い制度であるため、亡くなった後に振り込まれるはずだった年金が残ることになります。
死亡日に関わらず全額受け取れる仕組み
年金は、亡くなった月の分まで支払われるルールになっています。
未支給年金とは、年金を受けていた方が亡くなったときに、まだ受け取っていない年金や、亡くなった日より後に振込日がくる年金のことです。
- 月の途中で亡くなった場合 たとえ1日に亡くなったとしても、その月の1ヶ月分を全額受け取ることができます。日割り計算は行われません。
- 後払いの仕組み 年金は偶数月の15日に、前2ヶ月分が振り込まれます。例えば5月に亡くなった場合、4月分と5月分の年金が未支給分として発生します。
年金受給権者死亡届の提出期限と方法
受給者が亡くなったら、まず「年金受給権者死亡届(報告書)」を提出して年金を止める必要があります。
- 提出期限 日本年金機構にマイナンバーが登録されている場合は原則不要ですが、登録がない場合は、厚生年金は死亡から10日以内、国民年金は14日以内に届け出が必要です。
- 提出先 お近くの年金事務所または街角の年金相談センターへ提出します。
- 遅れた場合のリスク 手続きが遅れて年金が過払いになると、後で一括返還を求められるため、速やかな手続きが推奨されます。
未支給年金の受取人と優先順位
未支給年金は、亡くなった方と生計を同じくしていた遺族が受け取ることができます。ただし、誰でも良いわけではなく、法律で決められた優先順位があります。
三親等内の親族と生計同一の条件
未支給年金を請求できるのは、亡くなった方の三親等内の親族です。
請求できる遺族の優先順位
- 配偶者(事実婚を含む)
- 子
- 父母
- 孫
- 祖父母
- 兄弟姉妹
- その他の三親等内の親族(甥・姪、おじ・おばなど)
ここで重要になるのが生計同一という条件です。
- 生計同一とは 住民票が同じである「同居」だけでなく、別居していても仕送りがあったり、定期的に訪問していたりする場合も含まれます。
- 第三者証明 別居していた親族が請求する場合、民生委員や家主などから「生計を共にしていた」という第三者証明をもらうことで認められるケースがあります。
請求者がいない場合の相続財産の扱い
もし、亡くなった方に「生計を同じくしていた三親等内の親族」が一人もいない場合はどうなるのでしょうか?
結論から言うと、未支給年金は消滅します。未支給年金は受給する遺族固有の権利とされており、亡くなった方の「相続財産」には含まれません。そのため、相続人がいたとしても、生計を共にしていなければ受け取ることはできません。
遺族年金と死亡一時金の受給条件
亡くなった方が国民年金や厚生年金に加入していた場合、遺族には「遺族年金」や「死亡一時金」が支給される可能性があります。
遺族厚生年金と死亡一時金の併給可否
遺族年金と死亡一時金には、一緒に受け取れるものと、どちらか一方しか選べないものがあります。
- 遺族基礎年金・遺族厚生年金 亡くなった方が一定の加入要件を満たしていれば、遺族に継続的に支給されます。
- 死亡一時金 国民年金の第1号被保険者として保険料を36ヶ月以上納めた人が、年金を受け取らずに亡くなった場合に支給されます。
- 併給のルール 遺族基礎年金を受け取れる場合は、死亡一時金は支給されません。また、寡婦年金と死亡一時金の両方の条件を満たす場合は、どちらか一方を選択することになります。
死亡一時金がもらえない主な理由
「保険料を払っていたのに死亡一時金がもらえない」というケースには、いくつかのパターンがあります。
- すでに年金を受け取っていた 亡くなった本人が、老齢基礎年金や障害基礎年金を一度でも受け取っていた場合は、死亡一時金は支給されません。
- 遺族基礎年金を受給する 18歳到達年度の末日までの子がいる配偶者などが遺族基礎年金をもらう場合、死亡一時金は対象外です。
- 時効を過ぎた 死亡一時金の請求期限は、死亡日の翌日から2年です。期限を過ぎると権利が消滅するため注意してください。
未支給年金の請求手続きと必要書類
未支給年金を受け取るためには、遺族が自ら請求手続きを行う必要があります。
未支給年金請求書の具体的な書き方
「未支給年金・未支払給付金請求書」には、亡くなった方の情報と、請求する遺族の情報を記入します。
- 基礎年金番号 亡くなった方の年金手帳や年金証書に記載されている番号を記入します。
- 振込先口座 請求者本人(遺族)の名義の口座を指定します。亡くなった方の口座は凍結されるため、使用できません。
生計同一関係に関する申立書の記入例
亡くなった方と住民票上の住所が異なる場合に必要となるのが「生計同一関係に関する申立書」です。
- 記入のポイント 「いつ、どのような頻度で会っていたか」「生活費の援助はどうしていたか」などを具体的に記載します。
- 添付書類 健康保険の被扶養者になっていたことがわかる書類や、公共料金の領収書、現金書留の控えなどが証拠として有効です。
年金証書を紛失した場合の対応
手続きには亡くなった方の「年金証書」が必要ですが、見当たらない場合も焦る必要はありません。
年金証書紛失届を一緒に提出することで、手続きを進めることが可能です。年金事務所の窓口でその旨を伝えれば、適切な案内を受けられます。
振込が遅い理由と決定通知書の時期
手続きを終えた後、「なかなかお金が振り込まれない」と不安になる方も多いようです。
申請から振込まで時間がかかる理由
未支給年金の振込には、通常3ヶ月から4ヶ月程度の時間がかかります。
- 審査のプロセス 年金事務所で受け付けた書類は、事務センターで内容の精査が行われます。特に「生計同一」の確認が必要な場合、審査に時間がかかる傾向があります。
- 二重払いの防止 亡くなった月までの支払い確定と、遺族への支払い決定を慎重に行うため、どうしても一定の期間が必要になります。
振込日と決定通知書が届くタイミング
振込の前に、まずは「未支給年金支給決定通知書」というハガキが届きます。
- 通知書の到着 振込の約1週間から10日前に届くのが一般的です。
- 振込日 通知書に記載された振込予定日に、指定した口座へ入金されます。もし申請から4ヶ月以上経っても通知が来ない場合は、年金ダイヤルへ問い合わせてみましょう。
未支給年金の税金と確定申告
受け取った未支給年金には、税金がかかる場合があります。相続税と混同されやすいため注意が必要です。
相続税ではなく受給者の所得税対象
未支給年金は、亡くなった方の財産ではなく「受け取った遺族の収入」とみなされます。
- 税金の種類 相続税の対象にはなりませんが、受け取った遺族の一時所得として所得税の対象になります。
- 計算の考え方 一時所得には50万円の特別控除があるため、他の所得と合わせてこの金額を超えない限り、課税されることはありません。
確定申告が必要になる金額の目安
未支給年金を受け取ったことで確定申告が必要になるのは、以下のようなケースです。
- 一時所得の合計が50万円超 未支給年金以外に、生命保険の満期保険金などの一時所得があり、合計額が50万円を超える場合。
- 給与所得者の場合 給与以外の所得(一時所得を計算した後の金額など)が20万円を超える場合。
多くのケースでは非課税の範囲内に収まりますが、高額な未支給年金や他の臨時収入がある場合は、一度計算してみることをおすすめします。
まとめ
年金受給者が亡くなった際の手続きは、期限が短く複雑に感じるかもしれません。しかし、未支給年金は遺族に認められた大切な権利です。
- 死亡した月の分まで全額受け取れる
- 生計を同じくしていた三親等内の親族が請求できる
- 振込までは3〜4ヶ月かかる
- 相続税ではなく、受け取った人の所得税(一時所得)になる
まずは年金事務所へ連絡し、必要な書類を確認することから始めましょう。早めに手続きを済ませることで、その後の生活設計も立てやすくなります。
rWriter:kitamura