News 購入希望者に、売却理由はどこまで伝えた方が良いのですか?
家を売却するとき「売却理由は購入希望者にはどこまで伝えればいいの?」と悩んでしまうことはないでしょうか。
不動産売却の理由はさまざまです。
なかには個人的な事情を抱えた方もいるでしょう。
不動産売却の理由は、伝え方を間違えると思わぬトラブルへと発展することもあります。
ここでは売却理由を上手に伝えるコツや、トラブルを避けるポイントについて解説します。
【不動産売却の主な理由とは・・】
不動産売却の主な理由には、次のようなものがあげられます。
1.より良い住環境への住み替えのため
2.転勤・転職のため
3.家族構成が変わったため
4.離婚したため
5.相続のため
6.住宅ローンの返済が難しくなったため
7.雨漏り・シロアリ被害があるため
8.事件事故・近隣トラブルがあったため
【売却理由はどうやって伝える?】
買主の立場になると、物件の「売却理由」は気になるものです。
見学時に「なぜ売却するのか」と理由を尋ねられるケースは少なくありません。
売却理由には「そのまま伝えてもOKな理由」と「伝え方に注意が必要な理由」があります。
【そのまま伝えてOKな理由】
- 住み替えのため
- 転勤・転職のため
- 家族構成が変わったため
- 相続のため
【伝え方に注意が必要な理由】
- 離婚したため
- 住宅ローンの返済が難しくなったため
- 雨漏り・シロアリ被害があるため
- 事件事故、近隣トラブルがあったため
住み替えや転勤・転職、家族構成の変化などはごく一般的な理由なので、そのまま伝えても問題ありません。
ほかの項目については、伝え方に注意しないとトラブルの原因となることもあります。
それぞれ「どのように伝えればよいのか」を考えましょう。
個人の事情にかかわる理由の伝え方
個人的な事情については、次のように言い方を工夫してみましょう。
【離婚した場合の伝え方】
- 実家の両親と同居することになった
- 家族構成が変わった
【住宅ローンの返済が難しい場合の伝え方】
- 経済的な理由ができた
売主側は個人の事情に関わることなので、詳細を伝えたくない人もいるでしょう。
個人的な事情を伏せて理由を伝えるためには、表現の仕方を工夫するのがおすすめです。
『告知義務』のある売却理由の伝え方
物件を売却するときは、物件の瑕疵について報告する「告知義務」があります。
告知義務のある売却理由は、買主にありのままを伝えなければなりません。
売主が物件の瑕疵について知りながら告知を怠った場合、買主より損害賠償を請求されたり、契約解除を言い渡されたりすることもあります。
告知義務のある売却理由は、物理的瑕疵によるものと心理的瑕疵によるものがあります。
告知義務のある売却理由
【物理的瑕疵】建物や土地に関すること
- 基礎や柱など構造部分に欠損がある
- 雨漏りや上階からの水漏れ、シロアリによる被害がある
- 有害物質を含む土壌汚染や極端な軟弱地盤である
【心理的瑕疵】不安・不快に感じること
- 建物内や近隣で事件や事故が発生した(孤独死・自殺・殺傷事件・強盗など)
- 火災や洪水などの被害にあった
- 周辺に火葬場やごみ焼却施設、風俗店、反社会的勢力の事務所などがある
これらの瑕疵については「買主に報告しなければならない」と宅地建物取引業法にて定められています。
瑕疵がある場合、売主は「物件状況確認書(告知書)」という用紙に記入して買主に提出します。
物件状況確認書(告知書)とは
物件状況確認書(告知書)は、売却物件の瑕疵に関するヒアリングシートです。
決まった書式はありませんが内容は概ね統一されています。
対象 | 項目 |
建物 |
|
土地 |
|
周辺の環境 |
|
その他売主から買主へ引継ぐべき事項 | (何かあれば記載) |
近隣トラブルによる売却理由の伝え方は?
ご近所トラブルが原因で家を売るときは、トラブルの内容によって買主への伝え方も変わります。自分では判断が難しい場合は、北急ハウジング株式会社のスタッフに相談しましょう。
騒音問題の例として、次の2つのケースを比べてみます。
【例その1】判断が難しいケース
隣人の話し声やテレビの音、上階の子どもの足音がうるさいという騒音トラブルです。
騒音についての感じ方や捉え方は人それぞれです。
許容範囲内とする人もいれば、耐えられない人もいるでしょう。
このケースでは「近所に小さいお子さんがいて日中は賑やかなこともあります」などの伝え方がおすすめです。
【例その2】告知が必要なケース
1日中大音量で音楽を流し続ける、意味の分からないことを大声で怒鳴り散らす人がいるなどは、明らかな迷惑行為といえるでしょう。
このケースは誰が見ても常軌を逸脱したトラブルです。
物件状況確認書で買主に状況を伝える必要があります。
まとめ
不動産の売却理由はさまざまです。
告知義務がある理由と、告知義務がない理由がありますが、買主としては売却理由を知りたいものでしょう。
離婚などの個人的な理由を伝えたくない方は、表現を工夫することをおすすめします。
物理的瑕疵や心理的瑕疵があるときも「売却に不利になる」と隠さず、正直に告知することがトラブルを避けるポイントです。
売却理由の説明は、個人では判断が難しいこともあります。
どのように伝えるべきか迷ったときは、実績豊富な不動産会社に相談しましょう。
writer:Kitamura