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News 選挙は国民の義務?権利?投票に行かないと罰則はある?

目次

まずはじめに・・.

選挙は義務?権利?結論から解説..

法律上は国民に保障された「権利」.

投票に行かなくても罰則はない..

公職選挙法にも罰則の規定はない..

憲法に定められた国民の三大義務..

選挙の投票は義務に含まれない..

選挙が「義務」と言われる理由..

民主主義を支える国民の道徳的責務..

主権者として政治に参加する重要性..

選挙権獲得までの歴史的背景..

「権利」と「義務」の法的な違い..

権利とは「自由に行えること」

義務とは「強制力があること」

選挙権は行使が自由な権利..

投票に行かない「棄権」とは..

棄権は有権者の意思表示の一つ.

高い棄権率が招く民主主義の課題..

棄権と白票の違い..

海外の「義務投票制」の事例..

義務投票制を導入する主な国..

罰金などのペナルティ事例..

投票率向上以外のメリット・デメリット.

まとめ..

 

まずはじめに・・

国政選挙や地方選挙が近づくと、「選挙は国民の義務」という言葉を耳にすることがありますよね。「でも、本当に法律で決まった義務なの?」「もし投票に行かないと、何か罰則があるんだろうか?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、選挙と国民の関係について、法律上の定義から分かりやすく解説します。選挙が「義務」なのか「権利」なのか、その答えと背景を知ることで、あなた自身の投票に対する考え方がきっとクリアになります。

選挙は義務?権利?結論から解説

「選挙は国民の義務か、それとも権利か?」という疑問について、まずは結論からお伝えします。

法律上は国民に保障された「権利」

日本の法律上、選挙で投票することは国民に保障された「権利」です。 日本国憲法第15条には、公務員を選んだり辞めさせたりすることは国民固有の権利であると明記されています。

これは、私たち国民一人ひとりが国の政治に参加するための、非常に大切な権利(参政権)の一つです。つまり、選挙に行くことは、法律で強制された「義務」ではありません。

投票に行かなくても罰則はない

選挙が権利である以上、投票に行かなかったとしても、法律による罰則やペナルティは一切ありません。

「選挙に行かないと罰金を取られる」「何か不利益を被る」といったことは、現在の日本の制度ではありませんのでご安心ください。投票に行くか行かないかは、最終的に個人の自由な意思に委ねられています。

公職選挙法にも罰則の規定はない

選挙の具体的なルールを定めている「公職選挙法」という法律があります。この法律には、選挙運動のルールや投票の方法などが細かく定められていますが、有権者が投票しないこと(棄権)に対する罰則規定は存在しません。

法律は、あくまで公正な選挙が行われるためのルールを定めているだけで、国民に投票を強制するものではないのです。

憲法に定められた国民の三大義務

「でも、国民には義務があるって聞いたことがあるけど?」と思うかもしれません。確かに、日本国憲法では、国民が果たさなければならない3つの義務が定められています。これを「国民の三大義務」と呼びます。

具体的には、以下の3つです。

  • 納税の義務 国や地方自治体の活動を支えるため、法律の定めるところにより税金を納める義務です。(日本国憲法 第30条)
  • 勤労の義務 働く能力のある人は、その能力を活かして社会のために働く義務がある、とされています。(日本国憲法 第27条)
  • 教育を受けさせる義務 保護する子どもに、法律で定められた普通教育を受けさせる義務です。これは子ども自身の「教育を受ける権利」を守るための義務でもあります。(日本国憲法 第26条)

選挙の投票は義務に含まれない

ご覧の通り、憲法で定められた国民の義務の中に、選挙での投票は含まれていません。

「国民の義務」という言葉から、つい選挙もその一つだと考えてしまいがちですが、法律上の定義は明確に区別されています。この点を押さえておくだけでも、選挙に対する見方が変わるかもしれません。

選挙が「義務」と言われる理由

では、なぜ法律上の義務ではないにもかかわらず、選挙は「国民の義務」だと言われることがあるのでしょうか。それには、いくつかの理由があります。

民主主義を支える国民の道徳的責務

選挙は、民主主義国家の根幹を支える最も重要な仕組みだからです。 私たちの代表者(政治家)を自分たちの手で選び、その代表者を通じて政治に意思を反映させる。このプロセスがなければ、民主主義は成り立ちません。

法的な強制力はないものの、国を構成する一員として、社会をより良くしていくために投票に行くことは「道徳的な責務」であるという考え方が、選挙を「義務」と表現させる一因となっています。

主権者として政治に参加する重要性

日本国憲法では、国の政治のあり方を最終的に決める力(主権)は国民にあると定められています(国民主権)。私たちは国の「主権者」なのです。

選挙で投票することは、主権者である私たちが政治に対して意思表示できる、最も基本的で強力な手段です。 投票に行かないということは、この重要な権利を自ら手放し、政治の行方を他の人に委ねてしまうことにも繋がります。主権者としての責任を果たす、という意味で「義務」という言葉が使われることがあります。

選挙権獲得までの歴史的背景

現在、日本では満18歳以上のすべての国民が選挙権を持っていますが、これは当たり前のことではありませんでした。

かつては性別や納税額によって選挙権が制限されていた時代があり、多くの先人たちの努力と闘いの末に、誰もが平等に政治に参加できる権利が勝ち取られてきました。この歴史的な重みを知ると、一票を投じることが単なる権利行使以上の、未来へ繋ぐ責任(責務)であると感じられるかもしれません。

「権利」と「義務」の法的な違い

ここで、「権利」と「義務」という言葉の法的な意味を整理しておきましょう。この違いを理解すると、選挙権の位置づけがより明確になります。

権利とは「自由に行えること」

**「権利」**とは、法律によって保護され、特定の行為を自由に行ったり、他人に何かを求めたりできる力のことです。

例えば、「表現の自由」という権利があるから、私たちは自由に意見を述べることができます。しかし、意見を述べることを強制されるわけではありません。権利は、行使するかしないかを自分で選べるのが基本です。

義務とは「強制力があること」

一方、**「義務」**とは、法律によって特定の行為をすることが強制される、あるいはしてはならないと定められていることです。

先ほど紹介した「納税の義務」が分かりやすい例です。税金を納めることは法律で定められており、これを怠ると延滞税が課されたり、財産を差し押さえられたりといった法的なペナルティがあります。

選挙権は行使が自由な権利

この違いに当てはめると、選挙権は「行使するかしないかを自分で選べる権利」であり、強制力のある「義務」ではないことがはっきりと分かります。

選挙に行くことは、法律に守られたあなたの自由な選択なのです。

投票に行かない「棄権」とは

選挙権があるにもかかわらず、投票に行かない選択をすることを一般的に「棄権」と呼びます。

棄権は有権者の意思表示の一つ

**「選挙権があるのに投票に行かないことをなんという?」という疑問の答えは「棄権」**です。

棄権は、単なる「サボり」や「無関心」と見なされがちですが、中には「支持したい候補者や政党がない」「現在の政治に対する不満の表明」といった、積極的な意思表示として棄権を選ぶ人もいます。どのような理由であれ、棄権もまた有権者に認められた選択肢の一つと言えます。

高い棄権率が招く民主主義の課題

一方で、棄権する人が増え、投票率が低くなることにはいくつかの課題が指摘されています。

  • 民意が正確に反映されにくくなる: 投票した人だけの意見が政治に反映され、投票しなかった多くの国民の意見が無視されてしまう可能性があります。
  • 特定の組織票の影響が強まる: 全体の投票者数が少ないと、特定の団体や組織が持つ「組織票」の割合が相対的に高まり、選挙結果を大きく左右することがあります。
  • 政治の正当性が揺らぐ: あまりに投票率が低いと、選ばれた代表者や政府が「本当に国民から信任されているのか」という正当性が問われることになりかねません。

棄権と白票の違い

棄権と似たものに「白票」があります。この2つは意味が異なります。

  • 棄権 投票所に行かず、投票行動そのものをしないこと。
  • 白票 投票所には行くが、投票用紙に候補者名などを何も書かずに投票箱に入れること。

白票は「投票には来たが、支持する候補者はいない」という意思表示と解釈されることがあります。投票の意思はあるものの、選択肢に不満がある場合のアクションと言えるでしょう。どちらも無効票として扱われますが、投票所に行くか行かないかという点で大きな違いがあります。

海外の「義務投票制」の事例

日本では権利である選挙ですが、世界には投票を「義務」としている国も存在します。これを**「義務投票制」**と呼びます。

(参考:総務省「諸外国の選挙制度」, 国立国会図書館「義務投票制」)

義務投票制を導入する主な国

2023年時点で、義務投票制を導入している国には以下のような例があります。

  • オーストラリア
  • ベルギー
  • ルクセンブルク
  • ブラジル
  • シンガポール
  • アルゼンチン

これらの国々では、正当な理由なく投票に行かないことが法律で禁じられています。

罰金などのペナルティ事例

ペナルティの内容は国によって様々ですが、一般的には罰金が科されることが多いです。

  • オーストラリア: **20豪ドル(約2,000円)**程度の罰金が科されます。支払わない場合は、裁判所の命令や追加の罰金、社会奉仕活動などが課されることもあります。
  • ベルギー: 複数回棄権すると、選挙権が一定期間停止されるなどの厳しい措置が取られることがあります。

投票率向上以外のメリット・デメリット

義務投票制には、投票率が**90%**を超えるなど劇的に向上するメリットがあります。これにより、より多くの民意が反映されやすくなると考えられています。

一方で、以下のようなデメリットも指摘されています。

  • 政治への関心が低い層の投票: 政治に関心がない人も投票を強制されるため、適当に投票する人が増え、選挙の質が低下する可能性がある。
  • 制度の運用コスト: 棄権者の特定や罰金の徴収などに手間やコストがかかる。
  • 個人の自由の侵害: 投票しない自由(権利)を侵害するのではないか、という根本的な批判。

まとめ

この記事では、「選挙は国民の義務か、権利か」というテーマについて解説しました。

最後に、重要なポイントをまとめます。

  • 日本の法律上、選挙は「義務」ではなく「権利」です。
  • 投票に行かなくても、罰金などの法的な罰則は一切ありません。
  • 憲法で定められた「国民の三大義務」に、選挙の投票は含まれていません。
  • 選挙が「義務」と言われるのは、民主主義を支える主権者としての道徳的・倫理的な「責務」という側面があるからです。
  • 投票に行かない「棄権」も選択肢の一つですが、高い棄権率は民主主義の課題に繋がる可能性があります。

選挙が近づくと、様々な情報が飛び交います。

しかし、最も大切なのは、あなた自身が正しい情報を基に「どうするか」を考えることです。

折角の権利すので、正々堂々と選挙で自分の『推し』に投票してみては如何ですか。

この記事が、あなたが選挙について考え、自分なりの一歩を踏み出すためのきっかけになれば幸いです。